厚生労働省は1月17日、2011(H23)年度の厚生年金基金等の運用利回りについて公表しました。
厚生年金基金の運用利回りは1.33%で、AIJ投資顧問の詐欺被害に遭った基金などは除かれており、
確定給付企業年金やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に比べると1%近く低くなっています。
基金全体の2012(H24)年3月末の資産残高は17兆710億円、構成割合は、株式40.7%、
ヘッジファンドなどを含む「その他資産」15.6%でした。比較的運用リスクが高いとされる株式
やヘッジファンドへの運用比率は他の企業年金やGPIFよりも高くなっています。
これは基金が相対的にハイリスク・ハイリターンの運用を重視したことによるものです。
しかしハイリスク・ハイリターンの運用を重視した割に運用の利益は上がっていなかったことが伺えます。
厚生年金基金の資産運用は、加入員等の受給権を保護し、また基金が公的年金の一部を代行していることを踏まえて、リスク管理重点を置きつつ、安全かつ効率的に行っていくことが必要とされています。
基本的に「外部積立」による「分散投資」と「長期的な基本ポートフォリオ(政策的資産構成割合)の策定・管理」に基づいた運用が求められています。